アンチャーテッド 海賊王の秘宝【2016年】
アンチャーテッド海賊王の秘宝(UC4)はノーティドッグ開発、SIE発売のPS4専用タイトル、トレジャーハンターであるネイトの冒険TPSアクションアドベンチャーゲームです。最近多いオープンワールドタイプではなくリニアタイプのゲーム。アンチャーテッド砂漠に眠るアトランティス(UC3)の続編であり、シリーズ完結編です。
まずは動画を見てみましょう。
今回もシリーズファンにはお馴染みネイトが主人公です。上の動画にも出てきますが、トレジャーハンターを引退したネイトの前に当然現れたネイトの兄サム。サムのある理由から”もう1度宝探しに行かないか?”と誘われ、冒険に出ることになります。アンチャーテッドをやったことがある方なら操作方法にそこまでの変化はなく、加わったのもロープアクションぐらいで違和感なく始められると思います。ストーリーに関しても1〜3をやっていなくても”全然わからない”ということはありませんが、最大限ストーリーを楽しみたい場合、出来れば今までの3作を全てプレイしてから本作をプレイすることをオススメします。
なおマルチプレイに関しては私がプレイしていないのと、発売から2年以上経ってしまっている時期的なことから省略しています。今回のレビューではシングルプレイヤーに関してのみになりますので、ご了承ください。
感動のグラフィック
ただでさえ素晴らしかったグラフィックがさらに進化…!初めてプレイしたときは興奮が抑えきれませんでした。私が4K REGZA、PS4Proの組み合わせを初めて試したタイトルでもあり、確か本作で4Kプレイ環境も初めて試したのですが、本当に感動…!YoutubeをスマホやPCデフォルトサイズで見たときにはわからない、大画面ならではの感動がそこにありました…!最初のロード画面で登場人物がランダムに出てくるのですが、彼らの顔のシワ、肌ツヤなどたったそれだけで”すげえええ”、”美しい…”の言葉が止まりませんでした。2018年現在でPS4が発売されて約5年、本作は2016年発売ですが、個人的には今でもPS4で1、2を争う、もっと言えばすべてのTVゲームの中でも最高峰のグラフィックだと思っています。もちろん 、4Kでなくてもグラフィックには感動できると思います。
水の中に入った後、ちゃんと濡れていて少し時間が経つと段々乾く、といった表現だったり、歩いたときに服の背中の所に皺が寄る表現だったり(UC1のみ)実はシリーズでもう実装されていたものではあるんですが、PS4になってまたさらに感動できる表現になりました。ノーティドッグの芸の細かさに脱帽です。プレイしたときにぜひ注目してみてください。
スクショを撮っていても思ったのですが、UIを極力表示しないというのはとってもいいものですね。
深みを増したストーリー
ここから以下、軽いネタバレが含まれますので、前作をプレイしていない方、また、少しもストーリーを知りたくない方はご注意ください。ネタバレに繋がりそうなワードなど、なるべく濁して書いてはいますが、想像できてしまうかもしれないので繰り返しになりますが、ご注意を。
本作のストーリーは前3作に比べてファンタジー要素が排除されて、リアルなストーリーへと方向転換しています。登場人物の感情、すれ違い、葛藤など、これまでで最も深く描かれている作品になりました。これは私が意外と重要なポイントだと思っている要素です。PS3時代でもただでさえ良かったグラがさらに進化しているので、ファンタジー要素を削ったことでグラフィックだけでなく、作品自体にリアルさが加わり説得力が大きく増しました。没入感とは少し違うかもしれませんが、現実世界に近い世界観になりキャラクターに感情移入しやすくなりました。
リアル方向に振った影響は大きいと感じました。と、いうのも今までの作品ではストーリーがまさしくヒーロー映画のように世界を救うだとか、ものすごいお宝を手に入れるだとか、そういう壮大なものになっていました。しかし、今回のストーリーは兄をきっかけに旅に出るという、全体的に色々と落ち着いてしまった大人のストーリーです。エレナ(ヒロイン、妻)との関係や、兄との絆、ネイトの仕事に対する思いだったり、キャラクターの感情に最もフォーカスした物語になっています。共感できたり、身近に感じられたりする人も、もしかしたら多いかもしれません。なので今までの作品のノリを期待すると肩透かしを喰らうかもしれません。そのくらい今までと比べてストーリーテリングに変化を感じました。今回も子供がやっても勿論問題ない(CREO C15歳以上対象)ですが、やっぱり大人にこそ響くストーリーだと思います。ゲームなんかやってる時間ないよ!というような人にこそプレイしてみてほしい…!最後までやればわかります…!もちろん戦い、冒険し、宝物を探すことは決して身近ではないとは思うのですが、個人的にはとても魅力的に感じました。今回の話(ストーリーは結構好きです。
ボス戦での戦闘システムの変化
リアル方面に振った影響は戦闘面でもあります。それは、ボス戦やイベント時のQTE的格闘です。アンチャーテッドは基本銃撃戦がメインで、格闘はあくまでサブ的なものです。それをボス戦でやることになるとは…。通常戦闘時でも格闘はできますが、シンプルなものでこれといった特徴はありません。ボス戦、イベント時のQTEに近い格闘システムは、アンチャのようなストーリードリブンな作品には仕方がない気はしますが、またこれか…とプレイ中にきっと思ってしまうことでしょう…。
しかし、この現実と錯覚をしてしまうようなグラフィックで突然ファンタジーな要素が出てきたりして無理やりハードな銃撃戦というのも不自然で、格闘場面が多少あるのはしょうがないのかなとも思います。
また、最初にも少し触れましたが、今回ロープアクションが加わっています。これは主に移動で使用するものですが、場面にもよりますが、戦闘時にも使えるものになっています。これにより、戦闘もよりダイナミックに自分の操作でできるようになっています。これは戦闘の自分で演出をしているようで楽しいです。
ステルス要素に関してもよりしっかりとしたものになりました。下画像のように敵が怪しむ、気づくとアイコンが表示されるようになりました。背の高い草むらに隠れたりもできます。
一本道ではない…!
アンチャーテッドはリニアタイプのゲームですが、今回完全な一本道というわけではなくなりました。それは車で高原を駆け巡るステージ(チャプター)です。正確にはあらゆる場所を寄り道できるのですが、寄り道をしなくてもストーリーは進めることができるといったものです。このステージは比較的自由度を感じることができ、アンチャーテッドシリーズとしては新鮮な体験です。時間制限とかもないですし。あと、このチャプターではネイトたちの会話、掛け合いも面白いです。
そして、このステージは後にリリースされる本作のDLCであるスピンオフ作にも影響を与えています…。これについてはまた次回。
車の搭載されているウインチというワイヤーのようなものを使って、普通には登れない泥濘んだ傾斜を登ることができるのですが、この操作が地味に楽しい。こういう細かい所がアンチャーテッドの魅力なんですよね。
フォトモードが楽しい!
これは前作アンチャーテッドコレクションでも実装されていましたが、今回もあります!グラフィックがキレイだといろんな場所でスクショを撮りたくなってしまいます。グラフィックは勿論、ロケーションも素晴らしいので、冒険に疲れたらちょっと道を逸れて、自分のお気に入りの1枚を探しに行くのもいいかもしれません。ただ、ハマりすぎると抜け出せなくなりますのでご注意を…。
どんな人にオススメか
やはりアンチャーテッドシリーズをプレイした人には特にオススメです。方向転換があるとは言いましたが、シリーズをやってきた人はマストプレイです。2年経ったとはいえ、これが2000円ちょっとでできるのは驚きですよ。あとはTPSが好きな人、ストーリーを楽しみたい人、アクションアドベンチャーがやりたい人、映画が好きな人、等など。
今回プレイ時間も長く、たっぷり楽しむことができます。オープンワールドのゲームが増える中、リニアタイプのゲームで正統派な冒険ゲームをここまでどっしりできるものは中々ないと思います。RPGみたいにキャラクターを育てるのが面倒、でもストーリーはちゃんとしている王道のストーリーゲームがやりたい!なんて人にピッタリです。TPSということを許容できるなら。マルチプレイも搭載していますし、本当にすごいゲームです。
ラスト・オブ・アス2も楽しみです!やったことない人は新作を待つ間にどうぞ!
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